Archive21-12天明屋

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天明屋尚 個展

Tenmyouya Hisashi Solo Exhibition

「Japanese character」

会期:11月2日(火)〜11月20日(土)

天明屋尚 略歴

私の2年ぶりの個展となる今展では、巨大ロボット・怪獣・戦隊モノといった、土着性とアニミズムが根底にある日本発祥のキャラクター文化を踏まえ、日本のキャラクターをテーマとしたオリジナルのキャラクターシリーズ作品を発表します。

精神科医の斎藤環はその著書である「キャラクター精神分析」において、「転送可能・複製不可能」こそキャラクターの本質とし、「複製可能・転送不可能」なキャラと明確に区別しましたが、私がここで展開する図像もまた記号的なキャラとは一線を画した活劇的なキャラクターに他なりません。かつて江戸時代の絵師たちは、物語に登場するキャラクターをある種のヒーロー像として活劇的に描いてきました。歌川国芳は「通俗水滸伝豪傑百八人之一個」の武者絵シリーズにおいて中国の「水滸伝」に登場する英雄的なキャラクターを活写し、月岡芳年は「魁題百撰相」において歴史上の武人に見立てて戊辰戦争をめぐる人々の生き様を描き出しました。

2年前の個展で私は日本古代の神である「国津神」を描きましたが、今展で現代の神話としての「ジャパニーズ・キャラクター」を描くことで、一つの円環を成します。これにより、私が2010年に考案した日本の文化軸と歴史軸を直結させた美術概念「BASARA」は、いったん完結したとも言えるでしょう。
「大きな物語」が終わり、「神なき時代」と言われる混迷した現代社会。そこでは、非世界的存在のキャラクターたちが神の替わりとして現実世界での拠り所となり、再び新たな「大きな物語」として神話化していくのかもしれません。

今展では、日本のオタク文化に代表される画一化された情緒的で記号的な美少女キャラとは対極にある、ダイナミックで活劇的なヒーローとしてのキャラクター像を展開します。また同展では、私の初期の代表シリーズであるJapanese Spirit 18号機に加筆された作品も合わせて展示します。(天明屋尚)

「魔神颯刃乃図」 majin souha nozu 
710x240mm /2021/ アクリル絵具、木 
©Tenmyouya Hisashi