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近藤智美
「大正ヤマンバギャルド」
会期:
2023年10月11日(水)〜10月28日(土)
『1920年を起点として「大正期新興美術運動」と「ヤマンバギャル運動」を接続させながら日本のアバンギャルドの遺伝子の源流を辿る。
どちらの運動もたった5年という短い期間で終焉を迎え、あまりにもアウトサイダーであったために、その作品数と資料は少ない。
テレビ的に消費される寸前で絶滅したヤマンバを、美術史として資料的に残すことは可能だろうか。
運動の中にいた1人として、当時のリアリティを美化してしまう前に丁寧に語り記録しなければ、と思うようになった。
都会的でもありプリミティブ、土着的なものも内包したヤマンバという奇妙な存在は、絵画としての魅力があると実感している。そして同時に様々な疑問を投げかけてくる。
アフリカの仮面を模した2次元のような化粧は、100年前のキュビスムからの絵画の問題と、日本の表面的な光の問題も繋げることのできるメディウムになるかもしれない。
ヤマンバ達は未来派の如く「一生ギャル宣言☆」を掲げながら、あっという間に絶滅してしまったが、絵画なら「一生ギャル宣言」という時間軸は可能になるのだ。そして何か1つの信条を、熱狂的に信じて踊らされてしまう郷愁と危うさも同時に描きたい。
今回は未来派や新即物主義のような1920年代の様々なタッチでヤマンバを描いた絵画8点と、木版画2点、カズオイシグロの小説「浮世の画家」(ウィットブレット賞受賞)の作中の一場面で、1920年に主人公が描いた設定の戦争画を架空で創作した作品も併せて展示する。
※アヴァンギャルド(avant-garde) 元来偵察行動を行う少人数の部隊をいう軍隊用語である。』(近藤智美)
鑑賞者の感情を揺さぶるような作品が多方面から反響を呼ぶ近藤智美氏が、これまで画題としてはあえて距離を取っていた、自身が経験した「ヤマンバギャル文化」に焦点を当てた展覧会となります。
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