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島﨑良平 個展
「地と花。」
会期:
2023年9月13日(水)〜9月30日(土)
島﨑良平氏は、浮世絵の伝統的な技法、構図、モチーフ等を歴史に学びつつ、本人が眺める私的な浮世、生活の中で実際に感じ気づいたこと、時に個人的な情欲などを、独特のユーモアや見立てなどを含んだ表現で描き出します。
個展のタイトル「地と花」は「死と生」を意味しています。「地」は、地獄、地面(土)などからの連想で「死」、「花」は、桜、女性などからの連想で「生」を表します。作家の好きな小林一茶の句「世の中は地獄の上の花見かな」からも着想を得ています。
近年、作家はより強く「死」を意識するようになっているといいます。生や死に対する実感への渇望が作品を制作する上での動機にもなっているとのことです。「死と生」に対する意識は、作家を代表する作風であるクスっと笑ってしまうような楽しい作品たちや艶やかな女性画にも表現されます。生きているからこそ人間が抱く喜怒哀楽など刹那的な感情の儚さを噛みしめながらも、作家ならではのユーモアで笑い飛ばすことで前向きな気持ちに昇華したり、死に向かい変化していくからこそ美しい女體への渇望、憧れから、自身が感じる究極的な美しい女性の肉体を線描で描くことを目指します。描かれる女性には色気や艶めかしさとともに優しさや慈悲を内面に湛えた観音様のようなイメージを投影します。技術の面では、より洗練された美しさを追い求め、描線に対するこだわりを追求しながら、その時の偶然性も柔軟に取り込むことで、究極の線を引けるように日々修練にいそしんでいます。